(1) 小林一郎さん、風景デザインって何ですか? - 一所から懸命に
1)京城
母は大正の後半、ソウルの繁華街である黄金町で生まれ、二十歳過ぎまで、そこで暮らした。冬には、大河・漢江が凍りスケートができたらしい。風の強い日は、手を大きく広げるだけで、滑って行けたという。今でも半信半疑だが、豊かな少女時代を楽しく語る様子から、再訪できない町への強烈な望郷の念を感じた。幾度も繰り返される話を聞くだけで、私は風景の一部を共有しているような気になった。今も母の原風景は私の中にある。
→ つづきはこちらをご覧下さい
▽ 執筆者プロフィール
小林一郎/1951年大分県生まれ。
熊本大学大学院自然科学研究科教授、風景デザイン研究会会長。
Ecole Centrale de Lyon(フランス)固体力学教室訪問研究員を経て現職。
専門は設計論、景観工学、土木史。
主な著書は『風景のとらえ方・つくり方』(共著,共立出版)、『風景の中の橋』(槇書房)、『景観と意匠の歴史的展開-土木構造物・都市・ランドスケープ-』(共著,信山社セイテック)など。
by klda
| 2011-09-28 12:14
| 風景の"め"